satoko

こんにちは、satokoです。
先日、茅野市にある「茅野市尖石縄文考古館(ちのしとがりいし じょうもん こうこかん)」を訪れてきました。

名前は聞いたことがあったけれど、正直なところ「縄文時代の博物館」というくらいのイメージしか持っていなかった私。
でも実際に足を運んでみると、そこはただの展示施設ではなく、数千年前の人々の暮らしや想いが、驚くほど身近に感じられる場所でした。

今回は、そんな尖石縄文考古館の魅力を、実際に訪れた目線でたっぷりご紹介します。

※館内の土偶は撮影ができないため、写真でのご紹介はできません。その分、ぜひ現地で実物と向き合う時間を楽しんでいただけたらと思います。

入り口にある国宝土偶のレプリカがかわいいです

茅野市と縄文文化の深い関わり

長野県茅野市は、全国的に見ても縄文遺跡が非常に多い地域として知られています。
八ヶ岳の麓に広がるこの一帯は、水や木材、狩猟に適した環境が整っており、縄文人にとって暮らしやすい土地だったそうです。

その象徴とも言えるのが、国宝「縄文のビーナス」と国宝「仮面の女神」
この二つの土偶が、茅野市で出土したという事実だけでも、この地域の重要性が伝わってきます。

「茅野市尖石縄文考古館」は、そんな茅野市の縄文文化を体系的に学べる拠点として整備された施設です。

ジオラマの展示

尖石縄文考古館とは?

尖石縄文考古館は、縄文時代を中心とした考古資料を展示する専門館です。
館内では、茅野市内で発掘された土器や石器、装身具などが数多く展示されています。

特に有名なのが、

  • 国宝「縄文のビーナス」
  • 国宝「仮面の女神」

この二つを、実物で間近に見ることができるという点。
写真や映像では感じられない、存在感や迫力があります。

ポスターを発見

国宝「縄文のビーナス」との出会い

展示室に入ってまず目に飛び込んでくるのが、「縄文のビーナス」です。

ぽってりとした体つき、穏やかな表情。
どこか母性を感じさせるその姿に、思わず足を止めてしまいました。

約4,000年前につくられたとは思えないほど、造形は繊細で美しく、「人が人を想ってつくったもの」であることが、強く伝わってきます。

豊穣や生命の象徴とも言われるこの土偶。
縄文人が自然と共に生き、命を大切にしていたことが、静かに語りかけてくるようでした。

もうひとつの国宝「仮面の女神」

続いて展示されているのが、「仮面の女神」です。

縄文のビーナスとは対照的に、どこか神秘的で、少し緊張感のある佇まい。
顔に仮面を思わせる表現が施され、祈りや儀式との関わりが感じられます。

こちらも約4,000年前のもの。
同じ時代に、これほど異なる表現の土偶が存在していたことに驚かされます。

縄文文化が、単一ではなく、多様な価値観や精神性を持っていたことを教えてくれます。

縄文人の「暮らし」が見えてくる展示

尖石縄文考古館の魅力は、国宝だけではありません。

館内には、

  • 縄文土器
  • 石器
  • 狩猟や調理に使われた道具
  • アクセサリーとして身につけられていた装身具

など、日常生活を感じさせる展示が充実しています。

「縄文時代=原始的」というイメージを持っていましたが、実際の道具を見てみると、工夫と知恵の塊

土器の模様一つとっても、実用性と美しさが両立していて、縄文人の感性の豊かさに感心させられます。

映像展示と解説で、より分かりやすく

館内には、映像やパネル解説も充実しており、
縄文時代に詳しくない人でも、無理なく理解できる構成になっています。

子どもから大人まで、世代を問わず楽しめる工夫がされているのも嬉しいポイント。
実際、家族連れや観光客の姿も多く見られました。

尖石縄文考古館へ向かう様子

周辺の遺跡とあわせて楽しみたい

中ッ原遺跡(なかっぱらいせき)

出土品: 国宝「土偶」(仮面の女神

場所: 考古館から車で約10分(茅野市湖東)

現状:「中ッ原縄文公園」として整備されています。

見どころ: 土偶が出土した場所(70号土坑)が保存・表示されているほか、集落中央にあった広場には、当時をイメージしたクリの木の柱がモニュメントとして立てられており、ムラの祭祀の場を感じることができます。

与助尾根遺跡(よすけおねいせき)

場所: 尖石縄文考古館の裏手(尖石遺跡と小川を挟んで隣接)

特徴: 尖石遺跡とともに「特別史跡」に指定されています。現在は復元された竪穴住居が6棟あり、当時のムラの様子を体感できる史跡公園として整備されています。

見どころ: 縄文時代の住居の中に入ることができるため、当時の生活空間を肌で感じられます。

棚畑遺跡(たなばたけいせき)

出土品: 国宝「土偶」(縄文のビーナス

場所: 考古館から車で約15分(茅野市米沢)

現状: 工業団地(茅野・エコーピア)の一角にあり、説明板や記念碑が設置されています。

見どころ: 縄文のビーナスがほぼ完全な状態で埋められていた場所であり、大規模な環状集落があった地です。中ッ原遺跡ほど公園化はされていませんが、国宝誕生の地として知られています。

上之段石器時代遺跡(うえのだんせっきじだいいせき)

  • 場所: 考古館から車で約5分(茅野市北山)
  • 特徴: 昭和17年に尖石遺跡とともにいち早く国の史跡に指定された遺跡です。
  • 見どころ: 縄文時代早期から晩期まで長く人々が暮らした場所です。現在は静かな史跡として保存されています。

駒形遺跡(こまがたいせき)

  • 場所: 考古館から車で約10〜15分(茅野市米沢)
  • 特徴: 国の史跡。黒曜石の流通拠点として栄えたと考えられています。

一部をご紹介しましたが「茅野市尖石縄文考古館」の周辺には、他にも実際の縄文遺跡も点在しています。

館内で知識を得たあとに遺跡を歩いてみると、「ここで人が暮らしていたんだな」と、想像が一気に現実味を帯びてきます。

天気の良い日は、ぜひ周辺散策もおすすめです。

大人になってからの博物館は、こんなに面白い

正直に言うと、子どもの頃は博物館が少し苦手でした。
でも今は、ゆっくり展示を見ながら、当時の人々の暮らしに思いを馳せる時間が、とても贅沢に感じられます。

尖石縄文考古館は、
「学ぶ」というより
「感じる」
場所。

忙しい日常から少し離れて、何千年も前の時間に身を委ねてみる。
そんな過ごし方も、たまにはいいですね。

「茅野市尖石縄文考古館 」基本情報

施設名:茅野市尖石縄文考古館(ちのしとがりいしじょうもんこうこかん)
所在地:〒391-0213 長野県茅野市豊平4734-132
電話番号:0266-76-2270
公式サイトhttps://www.city.chino.lg.jp/site/togariishi/  
※開館時間・休館日・入館料は公式サイトをご確認ください。

まとめ

茅野市の尖石縄文考古館は、縄文文化を「難しい歴史」ではなく、「人の暮らしと祈りの物語」として伝えてくれる場所でした。

国宝を見るためだけでなく、縄文人の息づかいを感じに、ぜひ一度、訪れてみてください。

きっと、思っている以上に心に残る時間になるはずです。

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Satoko
Satoko
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