
少し前、諏訪方面へ出かける機会がありました。
この日の目的地は、前から一度行ってみたいと思っていた 「ReBuilding Center JAPAN(リビルディングセンタージャパン)」。
「リビセン」という愛称で親しまれているこの場所は、ただの古道具屋さんではなく、
“ものが巡る” という考え方を、体験として感じられる場所だと聞いていました。
実際に訪れてみると、その印象は想像以上。
古い建物、味のある木材、使い込まれた家具、そして店内に漂う静かな空気。
そこに併設されたカフェでスコーンを頬張りながら、
「ものを使う」「ものを手放す」ということについて、自然と考えさせられる時間になりました。
今回は、そんなリビセンでの体験をきっかけに、
お店の紹介だけでなく、中古品・リサイクル品がいまなぜ注目されているのか、
そして、私たちの暮らしとどうつながっていくのかについても、少し掘り下げて書いてみたいと思います。

ReBuilding Center JAPAN(リビセン)とはどんな場所か
リビセンの大きな特徴は、「中古品を仕入れて売る店」ではない、という点です。
ここでは、解体される予定の家屋や倉庫、古い建物から、
まだ使える建材や家具、建具、古道具などを“レスキュー”する活動を行っています。
壊されてしまえば、産業廃棄物として処分されてしまうもの。
けれど、よく見れば、
・今では手に入らない無垢材
・丁寧に作られた建具
・何十年も使われてきた家具
など、「使えなくなった」のではなく、
「使われなくなっただけ」のものが、たくさんあることに気づかされます。
リビセンは、そうしたものを引き取り、
清掃やメンテナンスを施したうえで、
新しい持ち主へとつなぐ場所です。
店内を歩いていると、
「これはどんな家で使われていたのだろう」
「この傷は、どんな時間の積み重ねだろう」
そんな想像が自然と浮かんできます。
宝探しのような売り場と、時間の層を感じる空間
リビセンの売り場は、よくあるリサイクルショップとはまったく違います。
商品がジャンル別に整然と並んでいる、というよりも、
空間そのものが一つの展示のよう。
天井まで積み上げられた古材、
無造作に立てかけられた建具、
一つひとつ表情の違う椅子やテーブル。
値札を見て「安い」「高い」と判断する前に、
まず目に入ってくるのは、
素材の質感や、経年変化の美しさです。
新品の家具や建材にはない、
使い込まれたからこそ出てくる色合いやツヤ。
それらは「劣化」ではなく、
時間を重ねた証としての魅力だと、ここでは自然に受け取れます。
カフェで過ごす、少し静かな時間


リビセンの1階には、カフェスペースがあります。
買い物の途中でひと息つくこともできるし、最初から「カフェ目的」で訪れても違和感はありません。
この日、私が選んだのはスコーン。
外側はさっくり、中はほどよくしっとり。
派手さはないけれど、素材の味がきちんと感じられる、とても丁寧な味わいでした。
古材を使ったテーブルや椅子に座って、コーヒーとスコーンを味わっていると、時間の流れが少しゆっくりになるような感覚があります。
「消費するためのカフェ」ではなく、空間ごと味わうためのカフェ。
そんな言葉がしっくりきました。
中古品・リサイクル品が、いま注目されている理由
ここから少し視点を広げて、なぜいま、中古品やリサイクル、リユースが注目されているのかについて考えてみます。
背景にあるのは、大量生産・大量消費の限界が、誰の目にも見えるようになってきたことです。
新品を作るには、
・資源を掘り出し
・エネルギーを使い
・運び
・加工し
・販売する
という長いプロセスが必要です。
その一方で、すでに世の中には、使えるものが膨大に存在しています。
それらを捨てて、また新しいものを作る。
このサイクルに、疑問を感じる人が増えてきたのは、とても自然な流れだと思います。
「中古=妥協」ではなくなった時代
少し前まで、「中古品」という言葉には、
・新品が買えないから仕方なく
・古くて性能が劣る
・見た目が悪い
といった、どこかネガティブなイメージがありました。
けれど今は、
中古=選択肢のひとつ、あるいは、あえて選ぶものへと変わりつつあります。
特に、家具や建材、道具といった分野では、「今ではもう作れないもの」「新品では手に入らない質感」を求めて、中古を探す人も増えています。
リビセンに並ぶ品々は、その流れを象徴しているように感じました。
空き家問題と、リユースの可能性
日本各地で深刻化している空き家問題。
解体される家屋が増える一方で、そこに使われていた木材や建具、家具の多くは、まだ十分に使える状態です。
それらをすべて廃棄してしまうのか、それとも、次の使い手につなぐのか。
リビセンの「レスキュー」という考え方は、単なるリサイクルではなく、地域の記憶や素材を未来につなぐ行為だと感じました。
ものを買うことが、意思表示になる時代
私たちは日々、何かを買うことで、知らず知らずのうちに「選択」をしています。
安さを選ぶのか、便利さを選ぶのか、それとも、背景や思想を選ぶのか。
リビセンでの買い物は、「これを選びたい」という気持ちが先に立ちます。
それは、単に物理的なモノを買うのではなく、その循環の一部に参加するという感覚に近いのかもしれません。
リビセンが提示する「豊かさ」のかたち
新品を次々と買い替える暮らしが、必ずしも豊かさにつながるわけではない。
そんな価値観が、少しずつ広がっています。
リビセンで感じたのは、
・すでにあるものを活かす
・手を入れて、使い続ける
・時間の積み重ねを楽しむ
という、別の豊かさでした。
それは決してストイックな我慢ではなく、むしろ、選ぶ楽しさや発見のある暮らしです。
まとめとして:諏訪で出会った、これからの暮らしのヒント
ReBuilding Center JAPAN は、「中古品を売るお店」ではなく、ものが巡る仕組みを、体験として見せてくれる場所でした。
カフェで食べたスコーンの素朴な味わいと、売り場に並ぶ古材や家具の存在感。
それらはすべて、「使い捨てない」という思想につながっています。
もし、
・暮らしを少し見直したい
・長く使えるものを選びたい
・ものの背景に目を向けてみたい
そんな気持ちが少しでもあるなら、リビセンはきっと、静かにヒントをくれる場所だと思います。
諏訪を訪れた際には、ぜひ時間に余裕をもって立ち寄ってみてください。
思いがけず、暮らしの見え方が変わるかもしれません。
「ReBuilding Center JAPAN」基本情報
住所:〒392-0024 長野県諏訪市小和田3−8
web:http://rebuildingcenter.jp/
電話:0266-78-8967
定休日:水曜日、木曜日
営業時間:古材と古道具は10:00-17:00 カフェは11:00-17:00(L.O.16:30)
駐車場:あり 店舗前に10台スペースがあります
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