satoko

冬の朝、長野の空気は少し背筋が伸びるような冷たさをまといます。
雪を踏む音がやけに大きく響き、白い息がゆっくりと空に溶けていく。

この土地で暮らしていると、冬は「特別な季節」というより、日常の一部としてそこにあります。

通学路の凍った道、仕事前の雪かき、そして誰にも見られない早朝のリンクやゲレンデで、黙々と体を動かす人たちの姿。

2026年、イタリアで開催される
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック
ミラノ・コルティナ2026パラリンピック

その舞台に立つ選手たちの中には、長野県出身、あるいは長野を拠点に競技を続けてきた“信州の冬”を知るアスリートたちがいます。

この記事では、結果だけでは見えてこない背景に目を向けながら、オリンピックとパラリンピック、両方の視点から
長野と世界をつなぐ物語をお届けします。

※本記事で紹介している内容は、2026年1月22日現在の情報をもとに構成しています。

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックとはどんな大会か

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックは、イタリア北部の都市ミラノと、アルプスの名門リゾート地のコルティナ・ダンペッツォを中心に開催される冬季大会です。

都市型と山岳型、二つの顔を併せ持つ大会は、最新の競技施設と、自然の厳しさが共存する舞台。

スピードスケート、アルペンスキー、ジャンプ、クロスカントリー。
そしてパラリンピックでは、障がいの特性に応じた多様な冬季競技が行われます。

アルプスの地形や雪質は、信州の山岳環境と共通点が多いとも言われており、長野で鍛えられた感覚が活きる舞台でもあります。

長野県が冬季スポーツと深く結びついてきた理由

自然そのものがトレーニング環境

長野県は標高差が大きく、積雪量も安定しています。
冬になると、移動するだけでも体力を使い、寒さと向き合うことが日常になります。

スキー場、ジャンプ台、クロスカントリーコース、屋内外のスケートリンク。
それらは「特別な施設」ではなく、暮らしの延長線上に存在する場所です。

1998年長野大会のレガシー

1998年の冬季大会をきっかけに整備された施設や指導体制は、現在も多くの競技者に活用されています。

当時を知る指導者、競技を支える地域、声援を送り続ける人たち。

それらが層となり、次の世代へと静かに受け継がれてきました。

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックに挑む、長野ゆかりの競技分野

スピードスケート|氷上で磨かれる信州の持久力

長野市、岡谷市、諏訪地域は、日本のスピードスケートを長く支えてきた地域です。

寒冷地特有の氷質、標高の高い環境での持久系トレーニング。

長野を拠点に練習を重ねてきた選手たちは、スピードだけでなく、安定したレース運びに定評があります。

注目の選手

佐々木 翔夢 選手(スピードスケート / 南牧村出身) 2006年生まれの19歳。若手の有望株として注目されています。

倉坪 克拓 選手(スピードスケート / 長野市出身) 地元長野市出身の選手として、出場が期待されています。

ノルディックスキー(ジャンプ・複合・クロスカントリー)

白馬村、野沢温泉村、飯山市などを中心に、ノルディックスキー文化が根付く長野。

ジャンプ台が身近にあり、クロスカントリーコースが生活圏にある。

小さな頃から雪の上で体を動かすことが、特別ではない環境が、世界基準の感覚を育ててきました。

注目の選手

渡部 暁斗 選手(ノルディック複合 / 白馬村出身) 長野県を代表するレジェンドの一人で、ミラノ大会でも中心選手として期待されています。

アルペンスキー・フリースタイル系競技

白馬エリアは、国内外のトップ選手が集まる拠点。
長野出身でなくとも、長野で競技力を高めた選手は数多く存在します。

急斜面、変化する雪質、天候を読む力。

それらを日常的に経験できることが、国際舞台での対応力につながっています。

注目の選手

フリースタイルスキー(代表内定・有力候補)
  • 近藤 心音(こんどう ここね)選手(スロープスタイル・ビッグエア / 白馬村出身) 白馬村出身の22歳。若手ながら世界大会で実績を積んでおり、初のオリンピック代表入りが確実視されています。
  • 小林 竜登(こばやし りゅうと)選手(スキークロス) 長野県内の企業(森川建設)に所属。1月21日の追加発表で代表入りが決定しました。
アルペンスキー(代表内定・有力候補)

アルペン種目では、現在までに発表されている長野県出身・ゆかりの選手は以下の通りです。

  • 小池 岳太(こいけ がくた)選手(パラアルペンスキー / 岡谷市出身) 先ほども触れましたが、パラアルペンスキーの日本代表として正式に決定しました。6大会連続出場という驚異的な記録での参戦となります。
  • 斯波 正樹(しば まさき)選手(スノーボード・アルペン) 代表候補リストに含まれています。長野県を拠点に長く活動しているベテランで、アルペン種目での活躍が期待されています。

パラリンピックと長野県の深い関係

オリンピックの後に続く、ミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピック。

ここでも、長野という土地は重要な役割を果たしてきました。

1998年大会以降、長野では障がいの有無に関わらずスポーツに取り組める環境づくりが進められてきました。

医療・リハビリ分野との連携、地域クラブの存在、そして「続けられる場所」があること。

それらが、パラアスリートにとっての長野の価値を高めています。

注目されるパラ競技と、長野ゆかりの分野

パラ・ノルディックスキー、アルペンスキー

雪上で行われるクロスカントリーやバイアスロンは、パラリンピックの中でも特に過酷な競技です。

上半身・下半身・視覚障がいなど、クラス分けされた中で求められるのは、

  • 雪質への適応
  • 持久力
  • 精神的な安定

これはまさに、信州の冬で培われてきた力そのものです。

スピードと正確性が求められるパラ・アルペンスキー。
白馬をはじめとする長野県内のスキー場は、実戦的な練習環境として活用されています。

競技用具と身体の感覚をすり合わせる作業は、一朝一夕では身につきません。

長野の雪と向き合う日々が、その土台を支えています。

注目の選手

アルペンスキー
  • 小池 岳太 選手(岡谷市出身) トリノ大会から数えて6大会連続出場という驚異的な記録を持つベテランです。
  • 森井 大輝 選手(東京都出身ですが、長野1998大会が転機に) 長野県出身ではありませんが、1998年の長野パラリンピックを病室で見てチェアスキーを始めたという、長野に深い縁を持つ選手です。今大会でもメダル候補として注目されています。
ノルディックスキー(ガイドスキーヤー)
  • 嶋田 悠二 さん(長野県出身) 視覚障害の選手を先導する「ガイドスキーヤー」として内定しています。選手と呼吸を合わせて滑る、非常に重要な役割を担います。

パラアイスホッケー

長野市を拠点とする国内の名門チーム「長野サンダーバーズ」から、県内出身の4名を含む多くの選手が選出されています。

  • 熊谷 昌治 選手(高森町出身 / 主将) 平昌大会以来、2度目の出場。チームを率いる頼れるキャプテンです。
  • 塩谷 吉寛 選手(長野県出身) 平昌大会に出場した経験豊富なディフェンス陣の一人です。
  • 新津 和良 選手(長野県出身) 今回がパラリンピック初出場となる、勢いのあるフォワードです。
  • 吉川 守 選手(長野県出身) 長野大会から出場しているレジェンドで、今回が6回目のパラリンピックとなります。

車いすカーリング(新種目:ミックスダブルス)

中島 洋治 選手(長野県出身) バンクーバー大会以来の出場。今大会から採用された新種目「ミックスダブルス」でのメダル獲得に期待がかかっています。

パラリンピックが教えてくれる「もう一つの強さ」

パラリンピックの魅力は、単なる感動物語ではありません。

自分の身体と向き合い、環境を読み、工夫し続ける力。

それは競技力であり、同時に生きる力でもあります。

長野という土地で育まれてきた粘り強さや静かな集中力は、多くのパラアスリートの歩みと重なります。

まとめ|信州の冬は、世界へと続いている

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックとパラリンピック。
二つの舞台で、長野の冬が世界とつながります。

雪の中で積み重ねられてきた、名もなき日常。

その延長線上に、世界最高峰の舞台があります。

結果が出る瞬間だけでなく、そこへ至る過程に目を向けることで、オリンピックは、もっと身近なものになるのかもしれません。

信州の冬は、これからも静かに、世界へと続いていきます。

投稿者プロフィール

Satoko
Satoko
趣味はおいしいものを食べること、なんて大人ならば基本中の基本かもしれませんが、おいしいものをいただくと幸せな気分になれますよね。
そんな小さな幸せを日々探しています!
みなさんの情報をぜひお寄せくださいね。