

「ねぇ、ガソリンって、前よりさらに高くなってない?」
そんな言葉を、ここ何年ものあいだ幾度となく耳にしてきました。
コンビニの駐車場でも、通勤途中の信号待ちでも、ふと目に入るガソリン価格の表示板に“また上がってる…”とため息がこぼれてしまうことも多くて、長野で暮らす人ならこの感覚にきっと覚えがあるはずです。
「なんで長野だけ、こんなに値段が上がり続けているの?」
「隣の県と比べると、どうしてこうも違うんだろう?」
生活するには車が欠かせない長野県では、ガソリン価格はまさに生活の要。そんな中、2025年2月に“ある問題”が報じられ、県内は大きなざわつきに包まれました。
いつも見慣れたガソリンスタンドの裏側で、私たちの知らない“価格の影”が動いていたのかもしれない——。
今回は、長野のガソリン価格がなぜ高くなり続けているのか、そして2025年に浮上した“価格協調疑惑”の意味を、県民の視点からていねいに紐解いていきます。
いつもとは異なるテーマではありますが、長野県民にとって関心の高い問題だと考え、記事にしてみました。
ここから述べる内容は、報道や公的資料を踏まえて私が解釈したもので、あくまでも個人の見解です。誰かを批判したり、特定の立場に立って書いたものではなく、事実をできるだけ公平に整理することを心がけています。
Ⅰ.「長野のガソリン高すぎ!」県民の声が相次ぐ背景
長野県のガソリンは、全国と比べても“慢性的に高い”ことで知られています。
実際の価格推移を見ると、2023年頃から長野県のレギュラー価格は全国平均より10〜20円ほど高い週がほとんど。
時期によっては 30円以上の差がつく地域も存在 しています。
SNSでも、
- 「長野に入った途端に値段が跳ね上がった」
- 「同じチェーン店なのに、新潟より20円高いのは納得できない」
- 「毎日の通勤が遠距離だから、本当にこれキツい…」
という声が多くあがり、県民生活への影響は深刻です。
しかし、これには単なる偶然ではなく、長野特有の“構造的な高さ”があります。
そして2025年、その状況に拍車をかける“価格協調の疑い”が報じられました。

Ⅱ.2025年2月「ガソリン価格の値上げ幅を電話で共有」疑惑が報じられる
2025年2月5日、信濃毎日新聞が報じたのは、長野県石油商業組合の北信支部を中心に、複数のガソリンスタンドが値上げ幅を電話で連絡し合っていた疑い
でした。
もしこれが実際に行われていたとすれば、
競争を妨げる可能性があり、消費者にとって不利益を生むおそれがあります。
長野県内はガソリンスタンドの数が減少し、
“競争相手が少ない地域”も増え続けています。
その中での“値上げ幅共有疑惑”は、県民に強い衝撃を与えました。
Ⅲ.公正取引委員会が立ち入り検査を実施(2025年2月18日)
報道からわずか2週間後、
2025年2月18日、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで組合事務所に立ち入り検査を実施。
調査内容は、
- 値上げ幅共有の実態確認
- 組合内部資料の提出要請
- ガソリンスタンド関係者からの聴取
- 北信地域を中心とした情報共有の有無
など多岐にわたりました。
組合側は「指示をした事実はない」と否定しましたが、
調査は続き、全国ニュースとなるほどの大きな関心を集めました。
Ⅳ.なぜ長野県のガソリンは“構造的に”高いのか?
今回の問題とは別に、長野県はもともと“ガソリン価格が高くなりやすい県”です。その理由を整理すると、次の4つが大きな要因となります。
● Ⅳ-1. 内陸県ゆえに輸送コストが高い
海に面していない長野県では、石油製品は
新潟・愛知・神奈川などからタンクローリーで運ばれます。
山間部が多く、冬にはチェーン規制もあり、配送コストが高くつく構造 があります。
● Ⅳ-2. スタンド数の減少で競争が弱い
この20〜30年で、県内のガソリンスタンドは半数以下に減りました。
競争が弱まり、価格が下がりにくくなる環境が生まれています。
● Ⅳ-3. 冬の灯油需要が高く、供給バランスが不安定になりやすい
寒冷地である長野県は灯油の消費量が非常に多く、元売り会社の在庫調整が難しく、価格が変動しやすい側面があります。
● Ⅳ-4. 小規模事業者が多く、仕入れ構造が複雑
都市部と違い、家族経営・中小規模のスタンドも多く、仕入れ価格の差が発生しやすい環境です。

Ⅴ.長野県石油商業組合とは? 今回問題視された理由
長野県石油商業組合は、県内のガソリンスタンド事業者が加盟する団体で、
- 経営支援
- 広報・啓発
- 研修会の実施
- 防災活動
などを担っているようです。
しかし今回問題となったのは、
- 値上げ幅共有の疑い
- 特定地域で価格方針が似通っていた点
- 組合の影響力が価格競争に影響した可能性
といった理由からです。
Ⅵ. 長野のガソリン価格が高止まりする“複合要因”
今回の一連の問題は、「長野だけ高い」の背景に、複数の要因が絡んでいたことを浮き彫りにしました。
【構造面の要因】
- 輸送コストの高さ
- スタンド減少による弱い競争
- 灯油需要の大きさ
- 仕入れルートの複雑さ
【行為面の疑い】
- 値上げ幅共有の報道
- 公取委の立ち入り調査
- 一部地域で横並びになりやすい環境
この“構造 × 行為”の組み合わせが、県民の感じる「長野だけ高い」という印象を強めました。
Ⅶ. この問題が県民生活に与える影響
● Ⅶ-1. 家計への直接的な打撃
車依存度が高い長野県では、ガソリン価格の上昇は生活費に直結します。
● Ⅶ-2. 物流コストの増大
燃料価格が上がると運送費が上がり、商品価格に影響する可能性があります。
● Ⅶ-3. 観光産業への影響
車移動が基本の観光地では、来訪者数に影響する可能性があります。

Ⅷ. まとめ:長野のガソリン価格は“偶然”ではない
今回の問題は、長野県民が長年感じてきた「なぜ長野だけこんなに高いのか?」という疑問に、具体的な背景を与えたと言えます。
- 内陸県としての地理
- 輸送コスト
- スタンド減少
- 灯油需要
- 値上げ幅共有の疑い
こうした複数の要素が複雑に絡み合い、長野県のガソリン価格を押し上げてきたのです。
ガソリン価格は生活の根幹に関わる問題。
「いいね!長野」では、今後もこのテーマを追い、県民の暮らしに寄り添った情報を発信していきます。
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